black snow ―― ど う し て こ ん な こ と に ・ ・ ・ 。 [ 上 ] さかのぼる事約18年。 悪魔の城に、姫を――女の子をひとり、授かりました。 女の子は、白く雪のような肌でとても可愛らしかったので、 "白雪"と名付けられ、それはそれは大事に育てられたものでした。 しかし。その愛が裏目裏目となり、その姫は、たいへん強暴に育っていきました。 そのせいで、16のとき白雪は、この、霧で覆われた森に追放されてしまったのです。 そして、森の奥の小屋に住む"7匹の小悪魔"と暮らしました。 しかしそこでも姫のおてんばさは直らず、小悪魔にも煙たがられ、 現在に至る、のでした。 「これ本当に死んだのか・・?」 「た・・多分。でも、今にも殺しにかかってきそうだなぁ・・・。」 「ホント。顔は最高の美人だな。ま、運が悪かったんだな。」 「うんうん。こうなったのもあの性格のせいだな。」 「土に、埋めるのか? 毎日眺めたいくらいだよな。」 「ガラスの棺なんていうのはどうですか?」 「おっ、それいいな!」 『採用!!』 ――7匹の小悪魔たちの会議。 1匹の提案に、6匹は声をそろえて同意しました。 そして、リーダーらしき1匹は、貧相な黒い羽根を広げました。 「おしっ! そうと決まれば実行だ!!」 『おうっ!!』 ――7匹は一斉に飛び立った。 ♪ 小悪魔は普通、悪魔の10分の1の魔力を持っていて、悪魔を同じ魔術をすると、 疲れてしまったり、倒れてしまったり、ひどい場合には消えてしまうのです。 ですから、小悪魔達は、滅多なことには魔術を使いませんでした。 何か作業をやるのにも、小悪魔たちは、集まって協力して物を運んだりするのでした。 とんがり2つの黒い帽子をかぶり、猫目で鼻筋がくっきりで、 ほとんど骨のような黒いコウモリ羽とやじるし型のしっぽを持っている小悪魔。 大体、そんなに個性のない姿をしています。 そして、より悪魔に近い小悪魔ほど大きくいので、 あの、ヒトキワ大きな小悪魔が1番強く、リーダー的な存在になったのでした。 「おしっ、ココにしよう!」 そんな小悪魔のリーダーは、6匹の指揮をとっています。 そんな小悪魔のリーダーを、皆は慕っているので、 いつも7匹で協力できて、今のように何かを運ぶのです。 リーダーの一声で、よっこら、と棺を降ろしました。 こうしてガラスの棺は、森の端に設置されました。 「次はあの、軽そうで実は滅茶苦茶重いヤツを運ぶんだな・・・・・。」 ある1匹が、こぼした。 ♪ すでに東の空は血の色に染まっています。 「あ゛ぁ〜〜〜ッッ!!!! 重かった〜っ!!!」 白雪姫の亡きがらは、7匹によって見事におさめられました。 そして7匹は、姫の美しさにため息をつきます。 「見た目だけだとこんなに奇麗に見えるモンだったのか・・。」 「しかし・・ここまで容易くやられるなんて・・・。」 「見損なったぞ・・・!!」 「今までの苦労も、今日で終わりだな!!」 「これから晴れて自由の身だ!!」 「長かったなぁ・・・・・うん。」 「やっと平和になるなぁ・・・・食費もうくぞ・・ッッ!!」 姫の周りを囲んだ7匹は、一斉に泣き出します。 それもとてもうれしそうに。 その晩、小悪魔たちの、盛大な宴が催されたのでした。 ♪ ――朝が来たもようです。 小悪魔のリーダーは、全員が寝ているのを確認すると、 白雪姫の眠る、この森へ向かいました。 「あ・・。お、お前っ! 何でここに!?」 そこには、全員寝ていたはずなのに、1匹の先客がいたのです。 「リーダーこそ・・・実は姫を見たくてきたんでしょ?」 「・・・お前もか。」 リーダーは不器用にそう言うと、恥ずかしそうに頭をかきました。 「私たちは実は、皆、姫の事が好きだったんじゃないですかな。」 「あ・・ああ・・・・。そうだったのかもな。」 ――少し、沈黙が流れて。 「まさかお前も俺と同じ考えで、お互い、姫に会いにいった事を知られるとはな。」 「はは・・。私とリーダーだけじゃなく、後から皆来ると思いますけど。」 企みがあるかのように言うと、 「――あ、ホラ。」 その小悪魔が指をさし、リーダーが振り返った空に、1匹の小悪魔がいました。 「ああっ! もう2人もいるし!!」 (・・・・・。) しばらくして1匹、もう1匹・・と、次々に来ました。 最後の1匹に至っては、誰もいないことをコレ幸いと、 何の疑問も抱かずにやって来てしまい、 結局全員そろってしまったのです。 「おいおい・・。みんな結局さびしくなったのか・・?」 「ち・・ちげー。ただ様子を見に来ただけだってば。」 「お前こそ。寂しいんだろ?」 「お前、姫に惚れてたのか?」 「まさか、後悔してるのか?」 「・・・皆素直じゃないですね。」 「偶然集まっただけだよなっ!? みんな・・・。」 やはり7匹そろうとうるさく終わってしまうのでした・・・。