Moon deth 〜月の死神〜
[序章]
月には2種類の守り神がいると言う。
1つは、月を生み出すもの。
もう1つは、月を殺すもの。
月を生み出すのは、“月の生神”。
月を殺す――壊すのは、“月の死神(”。
そう呼ばれている。
その2種類は、どちらも、手や足が体から離れていて、
体はそれぞれ、白、黒の布を着ていて見えない。
そもそも必要ないので、体はないという説が有力だ。
“月の生神(”は、薄青色の長い髪、
“月の死神(”は、濃い桃色の短い髪を持つ。
どちらも持っているのは、黄色い瞳。
しかしその2種類の精霊は、全く逆の役割を果たす。
“月の生神(”は、
額に小さな月のようなものが埋め込まれている。
これは、月を作り出すために、月の情報を記録するためにある。
そして“月の死神(”は、
月を壊すため、三日月形で、透明な鞘をした鎌を持っている。
そして、“月の生神(”は、
複数の精霊からなり、その中の1人のみ目が開き、言葉を発することができるという。
それに対して“月の死神(”は、1人だった。
これは、“月の死神(”の持つ鎌の威力が強く、
その鎌1つで月を壊すことができるからだと言われている。
そして、もう1人。
月の守り神たちに指示を与える、“月の神”、ムーンゴッドと呼ばれる、
月の最高権力者、支配者――月の精たちの“雇い主(”とも呼ばれる者がいるという。
“月の死神(”、“月の生神(”たちは、その“月の主(に雇われている、ということになる。
だが月の神は、精霊たちなくして存在し続けることはできない。
月の精霊がいなくなるという事は、月自体がなくなるという事だ。
そして、月の神には、子供がいた。
その子供は、ムーンチャイルド、ムーンチルドレンと呼ばれる。
月にも月の神にも寿命があり、継承者が必要となる。
そして継承するまで、地球や宇宙全体を偵察する、という役割を果たす。
この話は、月を中心とした、月の精霊たちの物語である。