STAR WOUND 〜星の傷〜 [prologue.] 人は皆、理想の人を考えて、それを作った。 それはだれもが愛する、人だった。 人は皆、それを愛した。ひどく可愛がった。 だがそれは、本当に人になってしまった。 皆の愛に答えたくて、人になってしまった。 だが、それは、人になってしまった。 それから、人は皆、それを愛さなくなった。 それは誰からも愛されない、人になった。 人は皆、それから離れていった。酷く罵りだした。 それは、人になったばかりに、愛されなくなってしまった。 ――もう、人であり続ける理由がない。 人になってしまったそれは、短い人生のままでいることを、悲しんだ。 愛されなくなっても、人であり続けることを、強く、望んだ。 人でいなくなることを、悲しみ、恐れ、拒んだ。 人は皆、人になってしまったそれのことを、忘れていった。 まだ人だったのか、まだ人であり続けたいのか、まだ生きていたのか、 人は皆、愛していたはずのそれを、人になってしまったために、 罵った。忌み嫌った。 忘れていった。 人は皆、愛していたはずのそれを、忘れていった。 忘れてしまった。 可愛がったことも、愛したことも、それの存在も、 忘れてしまった。 人であるそれは、皆に必要とされなくなってしまった。